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FAQ(よくあるご質問)
Q:硬化剤は、どのくらい入れるのですか? A:一番簡単そうで、難しいのが硬化剤です。

硬化剤は、化学名はメチルエチルケトンパーオキサイドで、国内では主に2社あり、日油株式会社のパーメック、化薬アクゾ株式会社のカヤメックが多く出回っているようです。

樹脂メーカーによっても若干硬化速度が異なるようですが(促進剤の添加割合が違うため)、一番の要因は、気温ではないでしょうか?一般的に下記のような関係のようです。



春秋:1~3%
夏:0.5~1%
冬:3~5%

うまく添加されると、30~40分ほどで硬化します。
気温は、あとでご紹介するパラフィン溶液との関係もあり、20~30℃で施工するのが理想的です。硬化剤のパーセント割合は、重量割合ですので、1%割合の場合は、

ポリエステル樹脂1Kgに対して、硬化剤10g
ポリエステル樹脂100gに対して、硬化剤1g

といったところです。当店の硬化剤は、点滴瓶を使用しているため、27滴で1g、容器の半分が10mlとスポイトが無くても簡単に計測出来ますので、ぜひご活用下さい。



寒い環境下で、促進剤を入れて、無理やり硬化させることもできますが、結果的に硬化が遅れてヒーティングしたりするくらいならば最初から環境温度を20~30℃にした方が、硬化がうまくいくことをご認識ください。従って硬化剤が足りないは、温度が足りないと考えた方が良いです。当店では、2%以上の硬化剤は、オプションと考えています。
Q:空気遮断剤とは、どんなものですか? A:当店では、パラフィン溶液を空気遮断剤と呼んでいます。他社では空気乾燥剤とか、空気硬化剤といった名称で販売されています。

空気遮断剤の役割は、ノンパラ(パラフィンの添加されていない)ポリエステル樹脂に5%ほど添加して空気に触れている部分の硬化を助ける役割をします。そもそもポリエステル樹脂は、空気に触れている面は、空気中の水分で硬化が阻害されるため、ノンパラですと表面がべたつきます。

そこで、空気と樹脂面を遮断するためパラフィン溶液を添加します。ちなみにパラフィンがうまく表面に浮上するためには最低20℃必要ですので、極度に寒いところではべたつきが残りますので注意して下さい。

当然ながら、硬化剤ではありませんから、空気遮断剤を添加しただけでは樹脂は硬化しません。空気硬化剤の名称はちょっと紛らわしいですね。
Q:FRPの強度は、どのくらいあるのですか? A:ざっくりとしたデータですが、引張強度で言うと、鉄と同じ厚みであれば、重さが5分の1程度で半分の強度と言えます。厚みを鉄の2倍にすると鉄並みの引張強度が得られ、重量は2.5分の1になります。

あくまで引張強度ですが、ガラス繊維と樹脂が複合化することで、かなりの強度が得られます。小型船舶で、6プライ程度で十分というのもうなずけるところですね。
Q:ポリエステル樹脂の保存期間、保存方法を教えて下さい。 A:ポリエステル樹脂のメーカー推奨保存期間は、3ヶ月です。当店では、常に新しいポリエステル樹脂を使用していますが、小分けの為、2か月とさせて頂いております。
もし保存するのであれば、当店のポリエステル樹脂は基本ブリキ缶にて出荷していますので、密閉性が高いためそのまま冷暗所に保管して下さい。補償ではありませんが、半年から1年保管できた場合もあります。



中の溶剤分は、開閉ごとになくなりますので、開閉の回数によっても保存期間が変わります。



また、メーカーは、出荷の都度、春秋用、夏用、冬用を出荷しますので、あまり保存期間が長いと硬化速度が前後します。促進剤の添加量が季節によって異なるからです。



ぜひ上記の点をご考慮頂き、出来れば使い切る分だけを注文して下さい。ご要望のありましたポリエステル樹脂250g詰めのセットも好評販売中です。FRP材料でポリエステル樹脂以外のものは、比較的期限がありません。ポリエステル樹脂だけ別格と考えて下さい。
Q:船の補修に使えますか? A:まず、大丈夫とお答えします。その上でどこまでを要求するかで、答えが異なります。
1、船舶用の検定品ですか?
→→→違います。確かに検定品ではありませんが、船舶用のポリエステル樹脂は、新造船用に認可されたもので硬化時間が遅く、一般には硬化調整は、難しいとされています。

2、強度に違いがありますか?
→→→強度面では大きな差がないというデータがあります。

3、耐候性に問題はありませんか?
→→→耐候性に違いがあります。但し露出している部分において10年サイクルで差が出るとしても、そもそも修理される船の経過年数もありますし、露出する部分が船底で紫外線を受けない場合や、仕上げに専用の塗料やトップコートを塗った場合などは、殆ど差がないと考えられます。

結論から言えば、樹脂の性能差よりも施工の出来具合に影響されますし、当店では使い易い一般のポリエステル樹脂を使って、きちんと脱泡しながらマットとクロスを交互に施工できれば、反って強度も上がり一体化してよい結果が得られると考えています。

余談ですが、脱泡を完璧に行うために、最終のガラスマット(もしくは、サーフェイスマット)までは、カラー樹脂を使わない方が空気の球が見分けやすく、脱泡が完全に行えます。

また、サーフィンや、ブイなど発泡スチロールと接触する場合は、専用の発泡スチロール用樹脂を先にお使いいただくとその後、一般樹脂での積層も可能です。ぜひお試しください。
Q:インパラとノンパラは、どう違うのですか? A:ポリエステル樹脂に予めパラフィン溶液が3~5%添加されているものを「インパラ」、添加されていないものを「ノンパラ」と呼びます。

ポリエステル樹脂には、硬化時空気に接触する部分の表面が硬化しないという特性があります。そこで表面もカラッと硬化させるためにパラフィン溶液を予め加えておいて、硬化熱で表面に浮き出したパラフィンが被膜となって空気を遮断し、表面も硬化させるのです。

それでは、ノンパラの樹脂は不要では?と思われるかもしれませんが、FRPの場合ガラス繊維を積層していく関係上、1回目の積層が一区切りとなるため、次の積層を行う場合に前の積層が次の下地になります。その際、ノンパラ樹脂の場合、表面が不完全硬化となっていることで逆に次の積層の接着効果が生まれます。

従って、積層を時間をおいて行う場合は、ノンパラの方が有利です。もしインパラを使ってしまった場合は、最終積層まで一気に終わらせるか、もしくは、積層の度に表面のパラフィンを取り除くために下地を面荒らし(足付け)する必要があります。

このように、インパラとノンパラは使分けが必要です。なお、ノンパラのポリエステル樹脂にパラフィン溶液を3~5%添加することで「インパラ」樹脂になります。当店では、このパラフィン溶液を「空気遮断剤」と呼んでいます。

また、パラフィン溶液は、硬化熱が、20℃を上回らないと樹脂の表面に浮上してこないため、極度に寒い環境で施工を行うと、硬化熱が20℃を上回らず、ノンパラ樹脂のようにいつまでもべたつく場合があります。

最近、動画などでノンパラ樹脂をガラスクロスやカーボンクロスの接着剤代わりに使用し、完全硬化の前にインパラ樹脂で仕上げている方がおられますが、意外ときれいの貼れるのでお勧めです。ちなみにさらに透明樹脂などでコーティングする場合は、クロスの仕上もノンパラにしておかないと、コーティングが剥離してしまうので、注意しましょう。
Q:ポリエステル樹脂1Kgは、何リットルですか? A:ポリエステル樹脂にも種類がありますが、比重はおよそ1.1です。比重1は、1Kgが1Lになりますので、ポリエステル樹脂は、およそ0.9Lとなります。

ちなみに、硬化剤の比重は、1.16です。つまり、1mlは、1.16gとなります。

ポリエステル樹脂と硬化剤は、標準で重量対比100:1とされていますが、ポリエステル樹脂は重さ(g)で販売しているにもかかわらず、硬化剤は容量(ml)で販売しているので、紛らわしい感もあります。重量を計って添加している方には問題ないですが、当店の場合は、硬化剤を点滴瓶で販売していますので、点滴数でご案内することが多いです。

話が横にそれましたが、点滴瓶で1gは、27滴になります。ちなみに1mlは、31滴です。20mlの硬化剤は、23gあることになります。

ついでに、溶剤の純アセトンの比重は、およそ0.8です。1Lは、800gということになります。
Q:FRPの耐熱温度は、何度ですか? A:およそ60℃を越えたところから、若干の変形を生じます。耐熱性に優れたものもありますが、当店では一般の方が使用しても失敗の少ない汎用ベーシックタイプ(主に硬化剤のみで硬化するもの)を扱っていますので、耐熱温度も一般の数値を示しています。

FRPも10年サイクルで耐候性の面から経年劣化が生じているため、補修の観点から言えば母材より優れた材料を使用しても母材の劣化が勝ってしまいます。それよりも完璧な施工をした方が、強度面・耐候面でもよい結果が得られています。さらに塗装などのトップコートを施せば、汎用ベーシックで十分効果が得られると考えられます。

母材の置かれている環境から樹脂をお選びいただくのが良いと思います。
Q:カラー樹脂は、トップコートに使えますか? A:カラー樹脂の本来の使い道は、FRPの補修面を周りの色に合わせるためのカラーリング用です。完全に調色することは、不向きですしどちらかというと裏面の見栄えをよくするのが目的です。

しかし、耐候性や強度を必要としなければ、トップコートにもなります。仕上げ方も人それぞれなので、いろいろと試してみることが面白いのかもしれません。

当店のカラー樹脂は、ポリエステル樹脂・トナー・硬化剤の3点セットで、汎用・コート用・発泡スチロール用がございます。トナーを入れて撹拌する手間がありますが、硬化剤も十分な撹拌が必要ですので、合わせて出来ますし、カラー濃度の調整や調色にも便利です。ぜひ、ご利用下さい。トナーを混ぜていない分保存性もよく、場合によってはポリエステル樹脂だけ交換すればカラー樹脂として改めて使えます。
Q:ガラス繊維の違いと使い分けを教えてください。 A:ガラス繊維は、一般的に、ガラスマット、ガラスクロス、ロービングクロス、サーフェイスマットがあります。

それぞれに、番手があって、厚みが違いますが、一般的によく使われているのは、



ガラスマットは、#450

ガラスクロスは、#200

ロービングクロスは、#600

サーフェイスマットは、#30

で、番手は、1平方メートル当たりの重さを表しています。



また、ポリエステル樹脂の必要量もおよそ決まっていて、

ガラスマットは、0.9Kg/㎡

ガラスクロスは、0.4Kg/㎡

ロービングクロスは、1.4Kg/㎡

サーフェイスマットは、0.3Kg/㎡



さらに、硬化後の厚みは、

ガラスマットは、1.0mm

ガラスクロスは、0.6mm

ロービングクロスは、1.3mm

サーフェイスマットは、0.2mm

程度です(あくまで、目安です)。



ご質問の使い分けの件ですが、補修に特化していえば、ガラスマットが最適です。曲面には、ガラスマットをよくもんだり、ちぎったりしてパッチワークのように仕上げれば、曲面でもきれいに貼ることができます。



ガラスクロス・ロービングクロスは、単独で貼ると実は空気が入りやすく、なかなか局面や、角には馴染みません。うまく貼るには、ガラスマットでサンドイッチにすると比較的うまくいきます。ガラスクロス・ロービングクロスの特徴は、引張強度が上がることと、クロス目を活かした見た目の美しさで補修することができる点です。



サーフェイスマットは、ポリエステル樹脂をたっぷり含みますので、最終面にポリエステル樹脂のリッチ層を作るときに便利です。仕上げた際に、ガラス繊維が出づらいので、研ぎ出し後も美しく仕上がります。



結論から言うと、ガラスマットだけでも補修は出来ますが、強度や仕上げの美しさから言えば、ガラスマット→ガラスクロス(ロービングクロス)→ガラスマット→トップコートの順に施工するのがお勧めです。



当店では、薄さと柔軟さを兼ね備えて強度アップにも最適な#380のロービングクロスを販売しております。ガラスクロスとの選択が可能で、人気急上昇中です。ぜひ、お試しください。
Q:ガラスマットの耳ありと耳無しの違いは何ですか? A:ガラスマットの幅方向の両端が少し薄くなっていて、重ね合わせたときに厚みを均一にできるものが耳ありです。この部分がないのが耳無しです。



耳無しでも重ねることは出来ますが、当然重ね目が厚くなってしまいます。ガラスマットは、手でも2枚程度に剥がすことが出来るので剥がしておいて適当にちぎれば重ね目の厚みをおさえることが出来ます。当店では耳無しのみの取扱となりますが、大量に継ぎ合わせていく場合は、耳ありのマットが便利です。
Q:エマルジョンマットは、どんなガラス繊維ですか? A:エマルジョンマットは、通常のガラスマット(チョップドストランドマット)のバインダーと呼ばれる糊が、ランダム方向にちりばめられた5cmほどのガラス繊維をくっつけているのですが、その糊が特殊でガラス繊維をしなやかにさせているのと、樹脂の含侵性をよくする働き、さらには裁断時のガラス飛散を抑える役割を果たしています。

使ってみると確かに樹脂の含侵速度が速い事と、形状に馴染みやすい点が実感できます。ただ馴染みやすい分無理に引っ張るとほつれが生じるため強度の強弱が出やすくなりますので、ガラスをあまり引っ張らないように施工した方が良いです。また、特殊な糊の影響でガラス繊維が白く見える場合があります。あくまで裏面や積層の中間にお使いいただくことをお勧めします。
Q:カーボン仕上セットは、ドライカーボンになりますか? A:ドライカーボンにはなりません。あくまでドレスアップが目的です。



「カーボンクロス」の種類について

カーボンクロスといっても、繊維状のカーボンとパネル上のカーボンがあります。繊維状のカーボンは主にウェットカーボンとして、パネル上のカーボンはドライカーボンとして使われます。ドライカーボンの樹脂は主にエポキシ樹脂でパネルを型に加熱真空圧着することで余分な樹脂を絞りだし硬化させます。本来のカーボンの強度を出すには、ドライカーボンで製作しますが、機材が高額になり必然的に高額なものになります。レーシングカーのボディなどがそうです。

一方、ウェットカーボンは、繊維状のカーボンクロスを通常のFRPのようにポリエステル樹脂で固めるため、コストが安く済みます。但しこの製法では強度は期待できません。せいぜい重量が20%ほど軽くなるくらいのメリットです。エアロパーツなどのカーボン仕上はこのウェットカーボン製法の為あくまで強度というよりはドレスアップです。

とはいえ、カーボンの好きな方は黒のクロス目をボディーに入れたくなります。カーボンには平織と綾織が主にあり、日本は平織が多いようです。施工後に一方向のクロスラインが強調されるのが「綾織」です。一方「平織」は、見る角度によってクロスラインが交叉して現れます。立体感が出るのが「綾織」で、幾何学的にきれいな模様が「平織」です。
Q:カーボンクロスの裁断は、ハサミで大丈夫ですか? A:カーボンクロスの裁断は、ペーパー用のハサミでも十分裁断できます。できれば布切用のハサミが良いです。型紙を使って裁断する時などは、裁断面に沿ってマスキングテープを先に貼っておくとほつれが止まって無駄がありません。また貼り込んでいるとどうしても位置がずれてしまいますので、少し大きめに裁断するのがポイントです。繊維状に印を付けるには、「青」のチョークが便利です。他の色は目立たないので使えません。
Q:カラートナーは、どんな時に使うのですか? A:カラートナーは、FRPポリエステル樹脂の着色剤です。主にトップコート、ゲルコート用の樹脂の着色などに使います。


添加量は、樹脂に対して5~10%程度で、添加量によって不透明度が変わります。ご自分で色の調整などもできますが調色は出来ません。理由は硬化後に若干色が変わってしまうためです。白から、黒に向かって隠蔽力が上がります。
Q:ガラスクロスやロービングクロスは、硬化するとガラス目が見えますか? A:無着色の透明樹脂でガラスクロスや、ロービングクロスを最終層に積層した場合、どんなに樹脂を絞ってもガラス目がカーボン繊維のようにはっきりと見えるわけではありません。樹脂を絞った結果繊維の凹凸がわかるので繊維のような目が見えるだけで、カーボン繊維のようにはなりません。

ガラスはむしろ樹脂と一体化する感じです。カーボン繊維は始めから見る角度で黒の色目が光の反射で変わるため繊維目もはっきり見えるのです。

当店では、塗装を溶かさない特殊な樹脂を使って、積層したガラス繊維にシルバーのスプレーで上塗りすることで積層面に角度によって変化するギラギラ感を出してから、透明の上塗りをする方法をお勧めしています。この方法ですと角度によって繊維目がはっきり見えるようになります。チャレンジセットも販売しております。ぜひお試しください。
Q:FRPの塗装は、どのようにするのですか? A:型を使って製品を作る場合は、最初に塗るゲルコートが、また、下地に積層して製品を作る場合はトップコートが表面になります。従ってトップコート、ゲルコートが塗装面になりますが、積層で仕上げる場合は、FRPそのものが下地になりますので、研磨仕上の後アクリルウレタン塗料で塗装します。



トップコート、ゲルコートは色付きのものが多いですがクリアーのものにトナー、顔料を混ぜて色付けできます。その場合は、およそ2%~10%くらいのトナー、顔料を混ぜます。色が白に近いほど隠蔽力が落ちるためトナー、顔料も多く必要になります。



当店では、コート樹脂・トナー・硬化剤の3点セットで販売しており、隠蔽力に応じてトナーを調整することが出来ます。
Q:FRPに色付けは可能ですか? A:可能です。当社でも販売していますが、液状のトナーと粉末状の顔料があります。いずれも不透明に色付けできるのが特徴です。透明感を出すには透明顔料を使います。

トナーも顔料もポリエステル樹脂との相性がよく、最近では調色しやすい顔料を多く使います。

販売店によっては、ノンパラ樹脂に着色してゲルコート、インパラ樹脂に着色してトップコートと表現するところもあります。厳密にいうと樹脂の種類が違うのですが、色付けという点では共通しています。

トナーにせよ、顔料にせよおよそ10%くらいを目安にした方が良いです。色により隠蔽力が異なりますので、20%混合する例もありますが、あまり入れすぎると硬化が阻害されたり、樹脂の本来の性能が出なくなります。

ガラス繊維に積層する場合は、10%でも十分隠蔽力(不透明感)があります。樹脂の硬化を確実にするには、トナー、顔料を十分撹拌してから硬化剤を添加して下さい。
Q:硬化剤は、たくさん入れた方が速く固まりますか? A:硬化剤を5%以上添加することは大変危険です。通常は1~2%で充分です。



硬化剤を入れて撹拌することで重合反応が起き発熱して、硬化が始まります。それまでの間が作業時間となりますので、2%までが適量なのです。



スムーズな作業時間を確保するためにも2%までを守りましょう。極度に寒い場所で促進剤を使用したり、硬化剤を使用して無理やり硬化させても結局硬化が進まずヒーティングするくらいであれば作業環境の温度を上げて硬化剤を2%以内にした方が完全に硬化します。撹拌を十分に行わないと重合反応が不完全に起きて硬化しない部分が出るのでご注意ください。当店の場合、硬化剤は点滴瓶タイプで正確に測れます。ぜひお試しください。
Q:硬化剤は、たくさん入れると早く固まりますか?(パート2) A:硬化剤については、結構勘違いされている方が多いようです。ポリエステル樹脂の場合硬化剤がキーになって重合反応を繰り返す結果硬化する仕組みです。硬化速度には限界があります。硬化する前に積層でしたら塗り込み作業を終わらせなければなりません。樹脂には季節ごとに硬化を促進する薬剤が入っていて、むしろ早さを決めているのはこちらと温度です。

結論は、硬化剤の量は、0.5~2%(カラー樹脂で4%)止まりです。それ以上入れても部分的に極端な発熱が起きて割れてしまったり、黄変してしまいます。

もし、硬化剤を2%入れて、1日たっても硬化しない場合は、季節の違う古い樹脂か、温度が10℃以下と考えられます。一液性のペンキでも溶剤分が飛んで固まるためには温度が必要です。環境温度の変更も考慮して頂ければ確実に硬化します。
Q:ポリエステル樹脂に使った道具の洗浄方法を教えて下さい。 A:当店でも販売しています、純アセトンが最適です。但し、道具そのものの材質がアセトンに溶けてしまうものは、NGです。たとえば、ABS樹脂は、すぐに溶けだしてしまいます。この性質を利用して、バンパーなどをアセトンで仮付けできるくらい溶けます。

純アセトンは、揮発しやすい溶剤なので、バケツなどで洗浄する際はビニール袋に入れてしばらくドブ付けにしたまま密閉しておくのが効果的で経済的です。

当店でも、刷毛・ヘラなどの小物を洗浄する専用の容器を販売しています。アセトンがほとんど減らず経済的です。

容器の底に汚泥が沈殿しますので上澄みを別の容器に移して汚泥を廃棄すれば上澄みのアセトンは、べたつくまで洗浄に使うことが出来ます。
Q:塗装の上から、FRPは貼れますか? A:クルマのような焼付塗装された上からは、FRPを貼っても大丈夫ですが、ラッカースプレーなどで塗装した後にFRPを貼ると塗装が溶けだしてしまいます。。

当店では、塗装を溶かさない特殊な樹脂(発泡スチロール用樹脂と共通)も販売しております。低臭気で透明度の高い樹脂なので仕上げ塗りにも使えます。硬化時間は共通ですが、表面硬度が上がるには1日程度の養生が必要です。ぜひお試しください。
Q:ポリエステル樹脂に混ぜて発光する着色剤はありますか? A:あります。蓄光顔料と呼ばれるもので当店でも発光顔料として販売しています。

昔は、蓄光の前身として使用されていたラジウムやトリチウムが自発光顔料であり、これらは放射性物質で、放射線の放出がありました。

現在では、アルミン酸ストロンチウムという化学物質で絵の具と同じくらい毒性がありません。当店でもアルミン酸ストロンチウム系の顔料を販売しています。
Q:ポリパテとはどんなものですか? A:パテ状で、盛り付け削り加工ができるものには、おおむね
1、ポリパテ
2、エポパテ(エポキシパテ)
3、ラッカーパテ
があります。

ポリパテ、エポパテは、2液(あるいは個体)を混ぜることで硬化が始まります。ポリパテは、比較的柔らかく厚付けに向いていますが、硬化後の成形が必要です。硬化時間が1時間程度と速いことも使いやすさのひとつです。

エポパテは、粘度状のものが多く、ほぼ最終形まで成形できます。硬化時間は比較的長いものが多いようです。

一方、ラッカーパテは、1液型で溶剤分が飛んでしまうと硬化する為、あまり厚塗りには適しません。表面の細かい傷を埋めるのに使います。

当店では、ポリエステル樹脂を販売している関係で、ポリパテを主に販売しています。大雑把に厚塗りするときに便利です。お値段もエポパテに比べてお手頃です。

また、ポリエステル樹脂とタルクを混ぜて簡易的にパテを作ることもできます。
Q:ポリエステルパテには、硬化剤が必要ですか? A:必要です。ポリエステルパテは、基材がポリエステル樹脂で硬化反応は、FRPの時と同じです。

当店でもカラーパテを販売していますが、硬化剤が必要です。基材に何種類かの増粘剤と着色剤を添加していますので硬化速度が遅くなるため、硬化剤は2~4%ほど添加するのが良いようです。
Q:ポリエステルモルタルって何ですか? A:ポリエステルモルタルとは、ポリパテ同様に基材は、ポリエステル樹脂ですが、骨材は珪砂と増粘剤を使用した、パテ上のモルタルです。

付属の硬化剤を2~4%加えることで(実際には、点滴瓶ですのでパテヘラひとすくいに数滴といったおおざっぱでも、施工時間が数分で有れば問題ありませんが・・・)40~50分程度で硬化します。

骨材が珪砂ですので摩耗しにくい分、床面や塀垣などの外部環境にさらされる場所での施行に最適です。欠けてしまったブロック塀などの補修にお使いください。接着力が強いので、欠けたピースを付ける時にも最適です。

その際は、接着面の汚れ・水分を十分にとることが重要です。
Q:プライマー処理は、必要ですか? A:プライマーは、下地とFRPの中間に挟まれて、接着性をよくする働きをします。
下地とFRPの密着性がよければ必要ありません。
下地との密着性をよくするという意味では、物理的にキズを付けて、FRP又はプライマーの接着をよくする方法があります。一般的に「足付け」と呼ばれるものです。サンドペーパー等で、面を荒らします。

FRP同士では、この足付け(面荒らし)と脱脂処理で十分ですが、下地がFRP以外の場合は、プライマーが必要です。当店のプライマーを薄く塗ることで接着力は上がります。

いずれにしても下地処理が不十分であれば剥がれてしまいます。
Q:ポリエステル樹脂は、塗料ですか? A:ポリエステル樹脂は、塗料としても戦前から使われてきました。塗膜も通常の塗料の2倍くらい形成されます。当店ではFRPを主体としていますので塗料としてよりも造形(ポリエステル樹脂そのもので形を作っていく)の方に主眼を置いています。



仕上面をカラー樹脂で仕上げることもできますが、通常はトップコートを施しますので、アクリルウレタン塗料などを使うことが多くなります。穴の開いたところを補強することは、FRPにはできても塗料にはできません。当店ではこの造形力を最大の売りにしたいと考えています。
Q:FRPとプラスチックは、くっつきますか? A:くっつくか、くっつかないかと聞かれると、くっつくとお答えします。ただし、くっつくというのは、それだけでも専門的な分野があるくらいの難しい領域です。考えなければいけないことは、

1、物理的にくっついているのか?科学的にくっついているのか?
(しがみついているの?溶融して一体化しているのか?)
2、母材の強度の何パーセントくらいの強度があるのか?
(80%以上あれば、良しとする?)

くらいは、ちょっと想像しておく必要があります。
たとえば、表面に塗料が塗られていたとすると、くっついたと言っても塗料の接着力を越えれば剥がれてしまいます。

くっつくのか?くっつかないのか?はっきりしろ!!!と言われると、はっきり答えられないので、最近は大概プライマーを間に挟んで接着力を上げる・・・でまとめられています。

最近では、株式会社染めQテクノロジィ様のミッチャクロンマルチを使う場面が多いようです。下地を選ばずサンディングの手間も省けるのがうたい文句のようです。

当店では、基本はFRPの補修ですので、下地の面荒らし、脱脂処理後直接FRPを貼って問題ありません。


但し、プライマーを使うにしても、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの容器に使うような素材への接着はやめた方が良いと思います(念の為)。
Q:FRPのお風呂の補修はできますか? A:できます。ただしどこまで仕上げるかは、やり方次第です。また、どんな場合でも下地処理が決め手です。FRPの場合、FRP同士の密着性は良いですが、下地がFRPでない場合は、プライマーを使うのが一般的です。

いずれにしても、下地は、素地がきちんと出るまで削ってから行いましょう。船の時同様、凹凸面はある程度パテ埋めした方が、あとのFRP処理がきれいにできます。脱泡をきちんと行うには、最初は透明な樹脂で、仕上げにカラー樹脂・トップコートをお使いください。
Q:水槽の内側に樹脂を塗っても生体に影響はありませんか? A:生体といっても、生き物全体で言えばわずかな溶剤分でも死滅する場合もありますので、一概には言えません。

一般的にFRPは、貯水槽、高架水槽の製品や内外のライニング工事に使用されており、また広く水槽の製品や内外のライニング工事、擬岩などの置物に使用されており実績もあります。

しかしながら硬化の不完全な製品からは溶剤分も揮発している状態が続きますし、生体といっても様々ですので、あくまで施工は自己責任でお願い致します。

また、施工された場合は、溶剤分の揮発がなく完全硬化後も1週間程度期間を置くことをお勧めします。
Q:刷毛とローラーどっちがおすすめ? A:ローラーは、主に素材がウール・アクリル・ポリエステルで樹脂をある程度保持しますので、平面で広い面積に適しています。より糸タイプとハイパイルタイプがあり、より糸は空気が入りづらく、ハイパイルは樹脂の含みが良いです。

刷毛の5倍くらい効率的です。当店は、補修が専門ですし、YouTubeを見ても、補修はほとんどが刷毛塗りです。0.5㎡未満で凹凸がある場合は、刷毛で充分と言えるのではないでしょうか?このくらいの面積であれば、刷毛1本で脱泡しながら補修できます。

ローラーは、脱泡には不向きですので、脱泡ローラーを併用するのが一般的です。刷毛の場合も効率よく脱泡するには脱泡ローラーはあると重宝します。当店でも最近の売れ筋です。ぜひご利用下さい。

当店でも、各サイズの塗り込みローラー、替えローラーをご用意しております。刷毛の次に効率を求めるならば、ローラーがお勧めです。いずれもワンタッチ着脱で洗いやすいです。
Q:黒豚毛脱泡ローラーと、アルミ脱泡ローラーはどう違うのですか? A:黒豚毛脱泡ローラーは、毛先の堅い黒豚毛のブラシをローラー上に丸めたもので、毛先がガラスを通して施行面に刺さることで空気穴が出来空気が抜けます。

一方、アルミ脱泡ローラーは、空気を施行面の端まで送って外に出します。

脱泡方法が違うため、使い方も異なります。
ガラス積層があまりない場合は、空気を送るよりもその場で穴をあけて脱泡する方が効率的ですが、何層も積層された後では、穴をあけて空気を抜くことがやりづらくなるため、アルミ脱泡ローラーで押し出すことになります。

どちらも、力を入れすぎたり、回転を止めて押した場合にガラス繊維を引っ張ってしまうことがありますので、力加減が重要です。

当店では、オリジナルの脱泡ローラーも販売しています。ぜひご利用下さい。
Q:FRP補修に脱泡ローラーは、必要ですか? A:あると、かなり重宝するのが脱泡ローラーです。特に施工面積が広くなればなるほど脱泡を速やかに完了させたくなります。FRPは、意外と硬化時間との兼ね合いが勝負だからです。

刷毛でも脱泡は可能ですが、時間の短縮から行けば脱泡ローラーにはかないません。さらに施工面を平らにならす方が、樹脂の無駄な含浸量を減らせ平らに仕上げられます。そのためには脱泡ローラーが有効です。

一度使ってしまうと、手放せないグッズです。但し、仕上作業に使うため、樹脂で固めてしまう場合が多いです。常にアセトンにドブ付けできる環境を作っておきましょう。当店のオリジナル脱泡ローラーは、アセトンで溶解できない場合は、ローラーごと焼いて元に戻すこともできます。

通常の脱泡ローラーは、火にかけられませんので、当店の洗浄用ドブ付けセットが便利ですので、ぜひお使いください。
Q:ゲルコートが、ひび割れしました。トップコートで補修できますか? A:できます。といっても、このトップコートの補修は様々で人それぞれ解釈が違うようです。

1、専用のトップコート樹脂を購入して、塗布し研磨仕上する。その際、調色までメーカーにお任せすると、大変いいお値段になってしまいます。クリアのゲルコート樹脂を購入し、トナーとパラフィンを加えて、トップコートにすれば、かなり格安に収まります。

2、カラー樹脂を購入し、ガラス繊維で厚みを出し、最後に上塗りする。カラー樹脂ですと、塗るだけでは下地が出てしまいます。ある程度キズが深ければこのような方法もあります。安価で済みますが、耐候性が本来のトップコート専用樹脂よりは落ちます。

3、ゲルコートのみの補修に、カラー樹脂を使う場合。厚塗りするためにタルクを10%程度加えてコーティングします。硬化後は、研磨仕上します。本来の硬度・耐候性は出ませんが、施工が比較的簡単にできます(硬度は、タルクの含有量で落ちていきます)。

4、FRP補修後、一般塗料でトップコート塗装する。最終面が、一般塗料に依存する場合で、表面の性能は塗料の硬度によります。

当店は、あくまで補修に特化しています。汎用ベーシックタイプを活用していかに簡単に補修してしまうかという視点です。DIYで、補修するのにルールはないようです。まずは、FRPを自在に操る方が、いろいろできて楽しいのではないでしょうか?
Q:サーフボードの補修はできますか? A:ボードが、グラスボードの場合は、FRPの場合が多いので、補修は可能です。但し傷口が大きすぎたり、傷口から海水が浸み込み剥離を起こしている場合などは、サーフショップに持ち込んだ方が良いと思います。

日頃のメンテナンスで、小傷等を直す場合は、少し透明度の高いポリエステル樹脂とガラスクロスや、タルクを使って補修して下さい。

当店では、初めての方でも安心のセットを販売しています。どうぞご利用下さい。
Q:発泡スチロールにFRP樹脂を積層出来ますか? A:出来ません。一般のFRP樹脂には、スチレンという溶剤分があり、これが発泡スチロールを溶かしてしまいます。ガムテープなどの養生をしてもスチレンが硬化時にガス化して、結局溶かしてしまいます。

そこで、当店では発泡スチロール専用樹脂を販売しています。この樹脂は、スチレンをほとんど含んでいないので発泡スチロールを溶かしません。また当店の発泡スチロール樹脂は2液型で使いやすい仕様です。但し発泡スチロール用の樹脂は、1か月以内に使用する分のみご購入下さい。その後は、変色し、硬化時間にばらつきが出て、最後は固まります(上面から硬化するので最悪は缶底に穴を開けて使用します)。

業界初のカラーセットも販売しております。合わせてご利用下さい。
Q:単色透明樹脂は、透明ではないのですか?
A:ご指摘の通り、完全な透明ではありません。全光線透過率(積層板)94.5%ということで、一般の樹脂よりは、下地をはっきりと出すことが出来ます。

完全透明の樹脂もありますがお値段がかなりするのと扱いにくい面があります。当店では、努めて扱いやすいもの、お値段の手ごろなものをお勧めするようにしています。用途に合わせて他社さんとも比較してみて下さい。
Q:ポリエステル樹脂の硬化剤は、それぞれ違いますか? A:硬化剤は、1種類ではありませんが、当店で販売しているポリエステル樹脂は、汎用、カーボン仕上用、発泡スチロール用、コート用のどれでも共通に「メチルエチルケトンパーオキサイド」を使用しています。点滴瓶タイプで無駄がなく、使いまわすことが出来ます。

メーカーによっては、硬化剤そのものを希釈している場合もありますので、添加量も一概には言えませんが、当店を含めて一般的には、重量比1%目安です。

当店では、205mlの紙コップを例にして、紙コップ半分の樹脂が約100gですので、27滴で1g、1%目安としています。

カラー樹脂にした場合は、顔料成分が硬化を若干阻害しますので、2%目安としています。施工前に適切な硬化剤を確認するようお願い致します。



余談ですが、硬化剤は比較的保存が可能です。お子様の手の届かないところに置いて下さい。廃棄したい場合は余った樹脂に入れてよく撹拌し硬化させて捨てて下さい。その際、急激な発熱がありますので必ず屋外で行って下さい。
Q:発泡スチロール用の樹脂と普通のポリエステル樹脂では、硬化剤が違いますか? A:当店の場合は、同じものです。メチルエチルケトンパーオキサイドで、一流メーカーの製品を小分け販売しています。

余談ですが、当店のポリエステル樹脂の硬化剤は全て共通に使えます。カラー樹脂にした場合も同じですが、添加量は、およそ2倍になります。
Q:ボルダリングのクライミングホールドをポリエステル樹脂で作れますか?
A:作れます。形が自由に作れる点では、液体のプラスチックであるポリエステル樹脂が最適です。少々高額になりますが、ポリウレタンも使われています。

材料に指定はないようですので、木材や自然石で作られる方もおられます。

大型のホールドを作成するときは、FRPが便利です。作り方もいろいろですが、発泡スチロールを好みの形に削って、発泡スチロールを溶かさないカラー樹脂でFRP巻にする方法があります。

当店では、クライミングホールド製作用の注型用ポリエステルカラー樹脂と、制作キットを販売しています。どうぞご利用下さい。
Q:一斗缶用の蛇口が販売されていますが、どの一斗缶にも合いますか? A:一斗缶の注ぎ口は、主に40mm、50mm、70mmがあり、液体の粘度によって口径も異なります。溶剤のような粘度の無いものは、40mm、ポリエステル樹脂は、主に50mm、台湾製の樹脂や外壁塗料などは、70mmが多いです。



当店では40mmの一斗缶用の蛇口を販売しております。形状がバナナ型で、空気抜きの穴が付いていて、キャップがあり大変使いやすいものです。1L缶も口径が40mmなので使いまわせます。市販では50mm用の蛇口も販売されております。70mmでは、蛇口でよいものがなく、ポリ差し口という商品名のものがありますが、差し口が斜めになっているだけで、空気抜きの穴もなく使い勝手が良くありません。

ポリ蛇口をご購入の際は、口径をお調べの上、お求めください。
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